日本小児アレルギー学会誌
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気管支喘息児に対するトレーニングの効果
松原 和樹杉本 日出雄松田 秀一七条 孝三郎
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1999 年 13 巻 1 号 p. 29-35

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抄録

気管支喘息児は運動誘発喘息への不安のため, 運動を敬遠しがちになり, 運動能力の低下, 運動に対する自信の喪失といった様々な問題が生じてくることがある. 今回, 入院時に運動誘発喘息を認めた183名 (男110名, 女73名, 平均年齢11.0±2.5歳) を対象に運動負荷試験による1秒量の最大低下率, アセチルコリン吸入試験での閾値, 運動能力テスト (50m走, 持久走) を1年間経時的に測定した. また, 入院時及び退院時の薬剤使用状況を調査した. その結果, 1. 運動負荷試験, アセチルコリン吸入閾値は経過とともに改善を示した. 2. 運動能力も向上した. 3. さらに著明な薬剤減量を図れた. 喘息児にとって日頃からのトレーニングは運動能力の向上のみならず, 薬剤減量, 気道過敏性の改善にも有効と思われた.

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