限られれた財源をより有効に使うため, 小児アレルギー性疾患治療のコストエフェクトを研究する目的で, アトピー性皮膚炎の診療コストを調査した. 診療所, 総合病院, 大学病院の小児科外来を受診した0から20歳のアトピー性皮膚炎患者242名の1ヶ月間の外来診療コストを, 受診回数, 処方薬の種類と薬剤料, 検査料について調べた. 外来診療費は, 診察料が3,000円, 処方薬剤料が5,000円であり, 処方箋料が1,600円, 検査料が1,400円, 総計で11,000円であった. 処方薬剤料の内訳は, 経口抗アレルギー剤が56%, 経口DSCGが21%, 外用剤が21%, 抗ヒスタミン剤が3%であった. 処方薬剤料は年齢層別に差は認めなかったが, 重症度別では, 軽症と中等症, 重症で2~5倍の差が認められ, 経口抗アレルギー剤, 経口DSCGの投与が大きく影響していた. 今後, 経口抗アレルギー剤, 経口DSCGの投薬適応についての検討が必要である.
抄録全体を表示