1990年から1998年末までに本委員会に登録を頂いた161例の中から喘息発作以外の死亡例8例を除いた153例について諸種の要因を解析した. 喘息死は厚生省死亡統計と同様の傾向にあり, 男性に多く, 12歳以降19歳未満にやや多かった. また重症例に特に集中するわけでなく, 軽症例, 中等症例にも予期せぬ突然の大発作で死亡する例が多かった. 普段の活動性を反映してキャンプ, 運動場など, 死亡場所の多様化が進んでおり, 救急対策に新たなる配慮が必要と推測された. 死亡の原因を推測する提言として, 適切な受診時期の遅れを指摘するものが多く, 正確な病状判断と患者教育の必要性が示唆された. 薬剤治療については, 過度依存, 怠薬による病状悪化が多く取り上げられており, 頻用されるβ刺激薬やステロイド薬の薬剤種, 剤型, 用法, 用量に今一段の配慮が要請されるようである.