日本小児アレルギー学会誌
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気管支喘息発作における無気肺の合併
本村 知華子加野 草平小田嶋 博西間 三馨
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2000 年 14 巻 1 号 p. 155-160

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抄録
最近12年間に喘息発作入院で無気肺合併した患者は339例 (3.2%) であった. 喘息発作時の無気肺は男性2.6%に対し, 女性4.1%と女性に多く, 4~6歳で7.2%と0~3歳3.2%, 7歳以上2.1%より高率であった. 無気肺の部位は右中葉が68.8%, 左上葉13.5% (舌区11.8%を含む), 右上葉11.2%であった. 喘息発作時の無気肺症例は42.4%を反復例が占め, 肺炎群の12.5%に比べ高率であった. 消失までに1年以上かかった慢性例は4例であった.
喘息発作程度が強い大発作時には無気肺は気道感染が関与することなく認められ, 無気肺の期間は短く反復例が多くなる傾向があった. 喘息発作程度が軽くなると気道感染の関与が強くなり, 無気肺の期間は長くなっていた.
また無気肺を契機に気管支喘息の診断を受けた例が21例あり診断の契機としても重要であると考えられた.
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