日本小児アレルギー学会誌
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モルモット喘息モデルの気道過敏性に及ぼすβ2刺激剤と吸入ステロイド剤の影響
藤多 和信上野 幸三飯倉 洋治
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2000 年 14 巻 1 号 p. 42-48

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抄録

(目的) 近年, 吸入β2刺激剤の過剰投与と喘息死との関連が問題になっている. そこで, 卵白アルブミン (OVA) で感作した喘息モデルモルモットを用いてβ2刺激剤の過剰投与が気道過敏性に及ぼす影響について, アセチルコリンに対する気道反応性を測定する方法を用いて検討した. さらに, 吸入ステロイド剤を併用した場合の気道の過敏性を検討した.
(方法) 雄3週齢ハートレー系モルモットにOVA 1μgを腹腔内投与後14日目, 21日目にOVA (10mg/ml) をネブライザーにて12分間吸入暴露させ, 能動感作を成立させた. 第28日目, OVA吸入前にアセチルコリンによる気道過敏性テストを行った. 28日目から32日目までと35日目から39日目まで連日OVA (20mg/ml) による抗原の吸入負荷を5分間行った. またこの抗原負荷期間中にフェノテロール0.6mg/日あるいは3mg/日, ベクロメサゾン0.45mg/日, 吸入を1日3回に分け行った. 第40日目, OVA吸入30分後にアセチルコリンによる気道過敏性テストを行った後, 組織を摘出した.
(結果) フェノテロール3mg/日あるいは0.6mg/日投与群では2週間の抗原負荷後で負荷前に比べ気道過敏性が有意に亢進していた. この気道過敏性の亢進は非投与群, あるいはフェノテロールとベクロメサゾン0.45mg/日併用群では認められなかった. 以上よりフェノテロールの過剰投与は気道過敏性の亢進を導くが, これはベクロメサゾンを併用することで防ぐことができると考えられる. 同様の傾向がプロカテロール投与群, 非投与群の間でもみられたが統計的に有意差は得られなかった. 肺β2受容体量はフェノテロール投与群で非投与群に比べ減少傾向が見られものの, 有意に差はなく, 受容体量以外の因子がフェノテロールによる気道過敏性の亢進に関与していると考えられる.
(結語)
OVAで感作した喘息モデルモルモットに対する吸入β2刺激の過剰投与は気道過敏性を亢進させるが, 吸入ステロイドを併用することで気道過敏性の亢進を防ぐことができる.

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