日本小児アレルギー学会誌
Online ISSN : 1882-2738
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救急医療を必要とした食物アレルギーについての臨床的検討
岡田 麻里岸田 勝井澤 雅子中園 宏紀栗田 富美子竹下 由紀子樺山 浩彦鈴木 五男四宮 範明青木 継稔
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2001 年 15 巻 5 号 p. 513-518

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抄録
過去5年間に食物アレルギーのために当科救急外来を受診した, 93人, のべ103例に対して臨床的検討を行った.
受診例は年々増加傾向にあり, 季節別では冬に少なかった. 受診者の年齢は, 平均年齢は3.7歳で乳幼児が全体の約80%を占めた. 発症までの時間は, 摂取後30~60分が最も多く全体の約50%を占めていた. アナフィラキシー症例についても同様で, 発症後60分以上の経過観察が必要と思われた.
出現症状は蕁麻疹がほぼ100%であり, 呼吸器症状を35.9%に, 消化器症状を24.3%に認めた. 原因食物は, 卵がアナフィラキシー症例も含めて最も多く, 次に小麦, イクラ, そばの順で多かった.
治療に関してはアナフィラキシー症例におけるエピネフリンの使用は6例のみであり, より積極的な使用が必要と考えられた.
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