日本小児アレルギー学会誌
Online ISSN : 1882-2738
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乳幼児のアレルギー疾患発症に関する疫学的研究
稲田 浩新平 鎮博小野 京子一色 玄
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2001 年 15 巻 5 号 p. 534-539

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抄録
905名の児を対象に, 保健所の乳幼児健診に来診した際のアンケート調査をもとに, アレルギー疾患の頻度と危険因子について縦断的解析をおこなった. 1歳半健診時のアトピー性皮膚炎の既往率は16%, 気管支喘息既往率は6%であったが, 3歳健診時にはそれぞれ19%, 14%に上昇していた. アトピー性皮膚炎発症の危険因子として家族歴の影響, 気管支喘息発症の危険因子として乳児期の喘鳴症状, 及び過去のアトピー性皮膚炎既往の影響が大きかった. また, 1歳半健診時にアトピー性皮膚炎既往ありの群は, なしの群に比べて, 以後3歳までに気管支喘息を新規発症するリスクが2.3倍高かった. 乳児期前半の好酸球数, 卵白RAST陽性の有無はアトピー性皮膚炎の発症には関係していたが, 気管支喘息の発症とは関係なかった.
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