日本小児アレルギー学会誌
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民間療法としてのプルーンジュース過剰摂取の乳児にみられた低蛋白血症を伴うアトピー性皮膚炎の2症例
渡邊 美砂川原 清美小原 明富永 晶子柳川 進岡本 則彦波多野 道弘月本 一郎向山 徳子
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2001 年 15 巻 5 号 p. 540-545

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抄録
下痢と低蛋白血症を伴う重症アトピー性皮膚炎 (AD) の2乳児例を報告した. 症例は2例とも1歳男児で, 民間療法としてプルーンを摂取していた. 低蛋白血症の原因としては, ADによる皮膚からの漏出とプルーンジュースの過剰摂取に起因した下痢による腸管での吸収障害, 独自の除去食による低栄養などの複合的な要因が考えられた. 両症例とも保護者の誤った食事療法, 治療拒否, 民間療法への過度の依存が共通していた. 民間療法やアトピービジネスに伴う危険性や弊害について, 正しい情報を提供することが急務であると思われた.
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