抄録
下痢と低蛋白血症を伴う重症アトピー性皮膚炎 (AD) の2乳児例を報告した. 症例は2例とも1歳男児で, 民間療法としてプルーンを摂取していた. 低蛋白血症の原因としては, ADによる皮膚からの漏出とプルーンジュースの過剰摂取に起因した下痢による腸管での吸収障害, 独自の除去食による低栄養などの複合的な要因が考えられた. 両症例とも保護者の誤った食事療法, 治療拒否, 民間療法への過度の依存が共通していた. 民間療法やアトピービジネスに伴う危険性や弊害について, 正しい情報を提供することが急務であると思われた.