抄録
これまで本邦における食物アレルギーの疫学データは, 単一もしくは少数施設において集積されたもので, 全国的な調査のものは無かった. そこで, 今回は厚生労働省「食物アレルギー対策検討委員会」が全国規模で平成11年度に行った, 即時型食物アレルギー症例1597例の検討から, 本邦における即時型食物アレルギーに関する現状を示した. その結果, 従来本邦の食物アレルギーの上位は卵, 牛乳, 大豆であったが, 今回の調査で3位は小麦であった. このことは, 本邦の食生活が非常に変化した事を意味していると言える.