我が国で最近報告された新しいタイプの食物アレルギー (食餌依存性運動誘発性アナフィラキシー) や新しいアレルゲンを調査することを目的とし, 主な医学会誌2誌を用いて過去20年間の即時型食物アレルギー反応と食餌依存性運動誘発性アナフィラキシーの症例報告をまとめた. 即時型食物アレルギー反応の定義は, 食物摂取後60分以内に臨床症状が出現したものとした. 検討項目は, 食物アレルギー対策検討委員会 (代表 飯倉洋治) の調査票項目を参考に, 性, 年齢, 原因食品, 原因抗原, 調理形態, 判定方法, 食物摂取後の症状, 検査所見等とした. 54編の論文及び学会発表をレビューし, 即時型食物アレルギーを示した報告は36症例で, 食餌依存性運動誘発性アナフィラキシーを示した報告は17症例, 原因抗原は計33種であった. 今回の調査で原因抗原として多かった小麦, エビ, キウィ, イカはいずれも, 厚生労働省より2000年7月に発表された表示予定の特定原材料24品目に含まれてることを確認した.
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