日本小児アレルギー学会誌
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運動と食物アレルギー
特に食物依存性運動誘発アナフィラキシー (FEIAn) について
相原 雄幸
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2003 年 17 巻 3 号 p. 284-289

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抄録

特定の食物摂取後の運動によりアナフィラキシーが出現する場合, 食物依存性運動誘発アナフィラキシー (food-dependent exercise-induced anaphylaxis, FEIAn) と呼ばれる. その病因は明らかではなく, これまでの報告では10~20歳台の症例が多いとされるがまとまった疫学調査はほとんどなされていない. そこで, 横浜市立中学校全生徒を対象に養護教諭にアンケート調査を実施した. 145校中有効回答は130校 (89.7%) で, 対象生徒数は76,229名, FEIAnは13名 (0.017%) であり, EIAnは24名 (0.031%) であった. また, 養護教諭のFEIAnについての認知度は約30%と低く, 学校における症例の把握や指導が不十分で不慮の事故の危険性が示唆された. 今後, この疾患についての学校医や養護教諭などへの啓蒙が必要と考えられる.

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