日本小児アレルギー学会誌
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幼小児における気道過敏性に関する研究, 特に気管支喘息患児, 気道過敏潜在児および咳嗽持続児における吸入メサコリン閾値を中心として
国府 肇
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1990 年 4 巻 1 号 p. 72-86

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抄録
臨床上改善あるいは悪化を示した気管支喘息患児計51例における無発作時の吸入メサコリン閾値の3年以上9年迄 (平均5.2年) 観察しえた経年推移は, 経過年数別にみると平均閾値としての変動は有意ながらその変動幅は小さかった. また上記症例中に含まれる17例にはいわゆる Outgrowing が成立していたが, 3年以上8年迄 (平均6.0年) の吸入メサコリン閾値の改善はより著明ながらその変動は予想外に僅かであった. しかし何れにせよ僅かな閾値の変動でもそれを認めた場合, その臨床的意義は大きいものと思われた.
気道過敏潜在児の気道過敏性は気管支喘息児のそれに比較して鈍であったが, 吸入メサコリン閾値の年齢的分布においては, 6歳以下と6歳以上との間に差はなかった. また3歳から13歳迄の気道過敏潜在児1年以上5年迄 (平均27ケ月) の観察では15.6%の症例がその期間に気道過敏性の増強を示した.
また気道過敏性とアトピー素因との関係については, 気管支喘息において吸入メサコリン閾値の変動と血清総IgE, 家塵RAST, 血中および鼻汁中好酸球などを指標としたアトピーマーカーの変動とは関連なく, さらに気道過敏潜在児においても気道過敏性は患児のアトピー家族歴やアトピーマーカーとは独立的に存在していると思われたが, また咳嗽持続児においても同様の傾向が認められた.
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