1991 年 5 巻 1 号 p. 24-28
10歳の気管支喘息患者の発作重積状態において著明な血小板増多 (80.2万/mm3) を認めた. 血小板数は発作の改善と共に減少した. トロンボエラストグラフでは凝固促進, 血小板増多のパターンであった. しかし, ADPを用いた血小板凝集能の検討では正常であった. そこで, 気管支喘息患者について, 発作時, 非発作時, 及び健康児の血小板数を検討したところ, それぞれ40.5±5.0万/mm3, 33.5±8.0万/mm3, 28.4±4.9万/mm3であり, 発作時に有意に高値を示した. 血小板増多は多くの喘息患者に認められ, その病態に何等かの関連をもつことが示唆された.