日本小児アレルギー学会誌
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β刺激薬吸入が水泳および潜水中の心拍数と不整脈の発生頻度におよぼす影響について
気管支喘息児を対象とした検討
松本 重孝浜崎 雄平市丸 智浩宮崎 澄雄西間 三馨
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1992 年 6 巻 1 号 p. 13-19

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抄録
気管支喘息児を対象として, 前処置としてβ刺激薬 (isoproterenol) 吸入を行った場合と行わなかった場合について, 水泳中および潜水中の心電図を記録し, β刺激薬吸入が水泳・潜水時の心拍数と不整脈の発生頻度に及ぼす影響を検討した. 13名 (平均年齢8.8±6.3歳) を対象とした水泳では, 吸入の有無にかかわらず不整脈は出現しなかった. 心拍数は水泳直前・中・1分後とも吸入後の方が有意に高かった (各々P<0.01, P<0.05, P<0.01). 10名 (10.9±3.5歳) を対象とした潜水では, 無処置の場合には4名, 吸入をした場合には1名に不整脈を認めた. 潜水直前, 終了直後の心拍数は両者に差がなかったが, 潜水中の最低心拍数は吸入後の方が有意に高く (P<0.01), 吸入により潜水性徐脈は一部抑制された. 以上の結果からは, 直前にβ刺激薬を吸入させることが水泳・潜水中の不整脈の発生頻度を高める可能性は否定的であり, 徐脈性不整脈の発生に関しては抑制的に働く可能性も示唆された. 喘息発作予防のために, 水泳開始前にβ刺激薬吸入を行うことの安全性をある程度は証明したと考えられた.
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