日本小児アレルギー学会誌
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気管支喘息重積発作に対する低濃度イソプロテレノール持続吸入療法の効果
笹本 明義斎藤 誠一松本 広伸内山 宏幸岸田 勝小屋 二六鈴木 五男青木 継稔小渋 達郎飯倉 洋治
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1992 年 6 巻 1 号 p. 20-26

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抄録
塩酸 1-isoproterenol は, 交感神経のβ-受容体に作用する強力な気管支拡張剤である. その isoproterenol 持続吸入療法は1979年より実施され, その効果は広く認められているが, 吸入濃度が施設によって異なっている. 著者らは今回より低濃度の isoproterenol を使用し持続吸入療法を実施した (吸入濃度7.5-12.5μg/kg/hr).
結果は以下に示すとおりで,
(1) 14名中9名, 64.3%に著明な臨床症状の改善が認められ, 副反応の出現した2名も中止後すみやかに消失した.
(2) 心拍数・呼吸数・PaCO2・pHともに吸入後1時間の改善率が最も顕著であった.
(3) 吸入1時間後にて, 呼吸不全および呼吸不全に移行する状熊からの回避が11名中8名 (72.7%) に可能であった.
(4) isoproterenol 持続吸入濃度7.5-12.5μg/kg/hrの範囲では改善率に差を認めなかった.
以上より低濃度 isoproterenol 吸入療法は有効な治療法であり, 比較的早い時期にこの効果を判定できると思われた.
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