抄録
重症喘息児4症例 (9~15歳) を対象にBDI (100μg×2/日) の定期吸入を6週間行い, ピークフロー (PEF) にてモニタリングし, PEF, PEFの日内変動率, 喘息症状について検討した.
1) BDI開始前のPEFの低さと喘息症状の程度は症例によって異なっていたが, 日内変動率はすべての症例において上昇していた. BDIの適応は, 症状だけでなくPEFモニタリングの情報を総合して判断することが望ましい.
2) BDIに対するPEFの反応の程度は, 症例ごとに異なっていた. PEFモニタリングによってBDIの投与量の不足や過剰投与を判定することができた.
3) 以上より, PEFモニタリングは, BDIの適応や効果を判定し, 投与量の調節を行うのに有用である.