195人の小学生児童の心電図R-R間隔の変動係数 (CV
R-R) を測定した. これらの児童に対してアンケート調査をおこない, 5群に分け (コントロール, BA, AD, AR, triple allegies 群), 各アレルギー群のCV
R-R値とコントロールを比較したところいずれのアレルギー群も低い傾向を示した. 次に, 19名の外来通院中, および25名の長期入院中の喘息児で同じ検査をおこなった. 外来通院中の患児は同様に低い傾向を, 長期入院患者では有意に低値を示した. 以上の結果は気管支喘息を含むアレルギー患者が必ずしも, CV
R-Rで示される副交感神経緊張状態にはないということを示している. 又, 入院患児のうち, 交感神経刺激剤を常用している患児で, より低いCV
R-R値を示し, 交感神経機能の影響を完全には排除できない可能性が判明した. 更に, 6名の患児で8Wの水泳訓練をおこないその前後でCV
R-Rを測定したところ, 6名中5名で値が低下した. 水泳訓練により, 副交感神経の緊張が低下した可能性を示すものと考えられた.
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