日本小児アレルギー学会誌
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小児における薬剤過敏症
第1編: 外来患児におけるアンケートでの実態調査
笹本 和広三島 健飯倉 洋治
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1995 年 9 巻 2 号 p. 76-82

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抄録

医療機関を受診した小児5412名を対象に薬剤による副反応や過敏症の有無, その症状, 発現時の年齢, 原因薬剤, アレルギー疾患の有無等を検討し以下の結果を得た. (1)副反応の既往があるものは9.46%, 薬剤過敏症の既往があるものは3.75%であり, アレルギー疾患を有する者でその頻度は高かった. (2)薬剤過敏症の既往を有する者は, 年齢が長ずるに従い高率となるが, 薬剤過敏症の発現年齢は低年齢から認められる. (3)過敏症の原因薬剤は抗生物質が最多であった. (4)過敏症症状を認めた者の中で, 原因薬剤名を把握している者, 医師から薬疹もしくは薬剤アレルギーの診断を得ている者, またその後の適切な対処を指示されている者, は少なく, 保護者の過敏症に対する意識が高くないこと, 実際の診療の場での診断の困難さを物語っていると考えられた.

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