日本小児循環器学会雑誌
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症例報告
横隔神経麻痺を合併した機能的単心室の肺循環動態:横隔膜縫縮術およびFontan型手術前後で左右の肺循環評価を行った1例
三井 さやか安田 和志早野 聡關 圭吾河井 悟福見 大地八神 啓長谷川 広樹村山 弘臣前田 正信馬場 礼三
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2014 年 30 巻 1 号 p. 79-84

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抄録
症例は無脾症,機能的単心室の男児.両方向性Glenn手術の際に右横隔神経麻痺を合併し,その後の心臓カテーテル検査で上半身の体静脈血流の多くが半奇静脈を介して下大静脈へ盗血する所見を認めた.右横隔膜縫縮術を先行し,半奇静脈閉塞試験にて肺循環再評価を行うと,右,左,総肺血管抵抗(RpI)はそれぞれ7.84,3.89,2.60 Wood単位・m2であった.左右差はあるもののFontan循環は成立すると判断し,2歳10ヵ月でTCPC術を施行した.術後7ヵ月の心臓カテーテル検査では左右肺動脈圧11 mmHg,総RpI 2.04 Wood単位・m2,心係数3.64L/min/m2で,臨床経過も含め一見すると良好なFontan循環のようであったが,右,左のRpIはそれぞれ5.69,3.20 Wood単位・m2で左右差が残存した.Fontan循環では吸気時の受動的な肺血流が重要であり,横隔神経麻痺はFontan循環の危険因子となる.横隔膜縫縮術前のみならず,術後も患側肺の血管抵抗は高く,肺循環の左右不均衡が残存することを念頭に慎重な管理が必要である.
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© 2013 特定非営利活動法人 日本小児循環器学会
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