抄録
小児循環器診療の場における心エコー検査の重要性は言うまでもなく,聴診器とほぼ同様に装置があれば誰にでも安全に検査することができる.しかし,誰にでも検査することはできるが,誰でも正しい診断ができるとは限らない.先天性心疾患における心エコー検査はこれまで形態診断が主なものであったが,最近では機能解析の方法が種々開発され,先天性心疾患にも応用されつつある.心エコーを用いて正しい診断をし,診療に役立てるためには,(1)超音波の特性やアーチファクトなどの知識,(2)正常心と先天性心疾患の形態的特徴についての知識,(3)血行動態についての知識が必要である.本稿では超音波の基礎と基本的断面および区分診断法の手順につき概説する.