2017 年 33 巻 5 号 p. 362-370
術式の改良と周術期管理法の進歩でFontan手術の成績は大きく改善し,術後患者の多くが成人領域に達している近年,Fontan循環特有の遠隔期合併症の発生や心室機能障害,運動耐容能の低下などFontan術後患者のQOLを低下させる要因が明らかにされ大きな注目を集めている.多くの因子がFontan循環を破綻させる危険性を持っており,良好なFontan循環を維持するためには綿密な内科的治療の継続に加え,病態に応じた適切なカテーテル治療および外科的治療の再介入が必要である.