2023 年 39 巻 2 号 p. 99-105
過去に報告のない,心室細動で発症し自動体外式除細動器により救命された,特発性好酸球増多症候群に伴った好酸球性心筋炎の幼児例を経験した.本症例は経過中,心室細動を含めた不整脈の再発は認めなかった.入院当初血液検査での脳性ナトリウム利尿ペプチドの上昇と,心エコー上,少量の心嚢液貯留と僧帽弁の逆流を認めたが,ステロイドなどの治療介入を要さず,経過観察のみで回復した.末梢血好酸球数は低下したが,正常化はしておらず,心臓MRIの遅延造影所見も残存しており,外来での慎重な経過観察を必要としている.