小児歯科学雑誌
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原著
トモシンセシスパノラマエックス線写真のみを使った下顎の即時混合歯列分析法の開発
木舩 敏郎増田 啓次山座 治義野中 和明
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2015 年 53 巻 4 号 p. 495-

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抄録

ⅢA 期の小児40 名の下顎石膏模型とトモシンセシスパノラマエックス線(TSPX)写真を使った混合歯列分析を行なった。小野の回帰方程式を使った石膏模型のみの混合歯列分析(A 法)と,石膏模型とTSPX 写真を併用した混合歯列分析(B 法)の左右全体の歯列空隙の平均値に有意差を認めなかった。 TSPX 写真の測定値のみを使用して,B 法の歯列空隙を予想する単回帰方程式(E 法,F 法)と重回帰方程式(G 法)を作成した。各方法の歯列空隙とも平均値ではA 法との有意差を認めなかった。leave­one­out 交差検証法を使って,E 法,F 法,G 法の検証結果の歯列空隙とB 法の歯列空隙との平均絶対誤差を比較した。F 法の左右全体の歯列空隙の平均絶対誤差0.735 mm が最も小さかった。重回帰方程式を使ったG 法の左右全体の歯列空隙の平均絶対誤差は1.055 mm であり,TSPX 写真の左右歯列周長と全ての前歯・側方歯の永久歯幅径を計測したE 法との平均絶対誤差と同程度であった。ゆえに,計測箇所をTSPX 画像の6 項目に軽減できるG 法が,チェアサイドでのスクリーニング検査法として適切であると考えられる。

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© 2015 日本小児歯科学会
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