小児歯科学雑誌
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臨床
乳歯列期と混合歯列期の双方に過剰歯が認められた1例
高橋 沙織小平 裕恵井出 正道朝田 芳信
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2016 年 54 巻 1 号 p. 40-49

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抄録

小児歯科臨床の場で,真性乳歯過剰歯に遭遇することは稀であるが,今回2 歯の真性乳歯過剰歯を有し,真性乳歯過剰歯が存在した同部位の上顎左側側切歯部に側切歯と過剰歯の双生歯もみられ,さらに上顎右側中切歯の口蓋側に埋伏過剰歯が認められた症例を経験したのでその治療経過について報告する。 患児は初診時年齢1 歳10 か月の男児で,上顎乳前歯部歯列上に2 歯の過剰歯が存在していた。上顎乳前歯部の叢生と上顎乳切歯の早期接触がみられたため,2 歳6 か月時に過剰歯を抜去した。その後経過観察を続け,混合歯列期に上顎右側中切歯の口蓋側に埋伏過剰歯が発見されたため,7 歳8 か月時に摘出した。また,上顎左側側切歯と過剰歯の双生歯も認められた。上顎歯列に側方歯群のspace 不足がみられ,双生歯は形態修正を行い保存し,上顎両側第一小臼歯を便宜抜去して良好な永久歯列へと誘導することができた。

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© 2016 日本小児歯科学会
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