小児歯科学雑誌
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原著
当科における初診患者の実態調査~平成における30年間の変遷~
岩田 こころ黒厚子 璃佳杉本 明日菜藤島 史帆赤澤 友基河原林 啓太宮嵜 彩北村 尚正尼寺 理恵上田 公子中川 弘長谷川 智一岩本 勉
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2021 年 59 巻 1 号 p. 8-13

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抄録

2019年4月末日をもって平成時代が終わり,令和時代が幕を開けた。平成の約30年間は経済成長の低迷,晩婚化・少子化の加速,一方で高度化する情報通信技術等,小児を取り巻く環境は,昭和時代から急速に変化しさまざまな領域で二極化が顕在化してきた側面もある。われわれ小児歯科医は,社会環境・家庭環境などの変化が子供の発育に及ぼす影響や問題を的確に読み取り,対応と支援を考えなければならない。そこで,平成元年から平成30年を初期(平成元年度~5年度),中期(平成9年度~13年度),後期(平成25年度~29年度)の各5年間で区切り,15年間の計5,982人を対象に当科に来院した初診患者の調査・分析を行った。

その結果,初診患者数は,年少人口の減少に伴い初期2,477人から後期1,301人と減少した。男女比は,各時期ともに概ね1:1であった。年齢は,いずれも学童期が約40%と最も多く,年齢構成に大きな変化はみられなかった。主訴は,各時期ともに齲蝕が最も多いが,初期の44%から後期には27%と減少した。紹介状を持参した児の割合は,初期の23%から後期は83.3%に増加し,障害児・有病児の割合が初期13.8%から後期33%に増加した。初期に比べ,主訴は多様化し,かかりつけ歯科医院と大学病院の機能分化が進んでいることが明らかとなった。今後は,さらに医科歯科連携の重要性が高まることが示唆された。

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© 2021 日本小児歯科学会
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