近年,情報通信技術の発展に伴い,身の回りのモノとインターネットが繋がるIoTデバイスが急速に普及し,生活習慣化をサポートするツールとしての活用が広がっている。本研究では,子供用IoT歯ブラシを継続的に使用することで,子供の意識や技術ならびに子供の歯みがき行動に対して保護者が抱える不安がどのように変化するかをアンケート調査により検証し,以下の結果を得た。
1. 保護者からみた子供の歯みがき技術に関しては,子供用IoT歯ブラシを構成するデバイス機能の有無に関わらず,継続した親子での歯みがきにより9割を超える子供が歯ブラシを口腔内全体で動かせると回答した。
2. 子供の歯みがきに対する意識に関しては,歯ブラシに装着されるデバイス,画面および音声ナビゲーションの機能等が付いたデバイス用アプリで構成された被験品の使用で,約7割の子供が保護者からの声かけがなくても自ら歯みがきを始める行動をとるようになったと回答した。
3. 保護者の歯みがきに対する不安に関しては,前述の被験品を使用した約9割の保護者が,継続的な使用により将来的な子供の歯みがきに対して,不安が軽減されると回答した。
以上より,子供用IoT 歯ブラシの使用により,子供自ら歯みがきを始める習慣が身に付き,子供の歯みがき技術の上達が期待できることから,親の不安軽減に繋がる可能性が示唆された。