2024 年 62 巻 2 号 p. 25-38
歯学教育モデル・コア・カリキュラム〈平成28年度改訂版〉では,実践的臨床能力を有する歯科医師を養成することが求められ,さらに歯学教育モデル・コア・カリキュラム〈令和4年度改訂版〉では,「未来の社会や地域を見据え,多様な場や人をつなぎ活躍できる医療人の養成」が求められている。このような歯学教育の進展に伴い,問題解決能力や対人関係能力を育成することが必須となり,アクティブラーニングを軸とした教育への転換が求められている。そこで,われわれは平成30年度から小児歯科学基礎実習について問題基盤型学習の手法を取り入れた実習に移行するために顎模型,実習書,実習内容の見直しを行った。受講学生に対しアンケート調査ならびにプレテスト,ポストテストを実施し,その結果について検討した。アンケート調査より基礎実習の経験が,臨床分野への関心やモチベーションの維持・向上に繋がる可能性があること,基礎実習開始前に多くの学生が実習に対し不安をもっているが,教員とのコミュニケーションや技能の熟達により不安が軽減することなどが判明した。また,自己学修型の演習を取り込んだ実習を行うことで実習内容の理解度が増し,シミュレーション実習を行うことで患児や保護者の立場を理解することが示唆された。本調査の結果から,基礎実習の内容や教授方法を工夫することで,学生の知識・技能・態度の面で良好な結果を得られることが推察されたため,今後さらに実習内容の充実に取り組んでいきたいと考えている。