2024 年 62 巻 2 号 p. 39-43
当院小児摂食嚥下外来では,成長期において摂食嚥下に関わる遅れや異常を認める小児を対象に,食についての支援を行っている。今回,当院小児歯科を受診中の患児で,過去7年4か月間(平成27年4月1日から令和4年7月31日)に当外来を受診した患児45名(男児28名,女児17名)について,初診時の調査と集計を行った。
初診時年齢は0歳6か月~11歳5か月で,平均3歳8か月であった。1~3歳で全体の67%を占めた。出産時期は正期産22名,早産16名(極早産6名,超早産7名を含む)であった。生下時体重は2,500 g以上25名,2,500 g未満19名(1,500 g未満4名,1,000 g未満8名を含む)であった。運動発達は14名に粗大運動の発達遅延を認めた。疾患の種類はDown症候群が11名で最多,ついで自閉スペクトラム症7名等であった。紹介元は当院小児科からが最多で15名であった。主訴は咀嚼の不足(丸呑みを含む)が最多で14名,飲み込むのが苦手8名,固形物が苦手7名等であった。栄養摂取方法は経口摂取のみが27名で最多,次いで経口摂取と哺乳が10名,経管栄養が必要な患児は5名であった。今後は,将来的に摂食嚥下の問題が生じる可能性のある小児については,摂食嚥下の支援ができる医療機関への低年齢からの受診の重要性を発信しつつ,医科・歯科・地域等と連携しながら,摂食嚥下に関する支援の継続が大切であると考えられた。