小児歯科学雑誌
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原著
当小児歯科クリニックにおける初診患者の診療状況―過去40年間の診療内容の変化―
池田 元久本間 康裕本間 容子
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2025 年 63 巻 1 号 p. 28-35

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抄録

当小児歯科クリニックは1982年7月(昭和57年)に函館市で開業し,2022年で約40年が経過した。今回,当クリニックにおけるその間の来院状況や診療内容の変化を調査し,以下の結論を得た。
1.初診患者数は減少しており,開業当初の10年間に比べて,最後の10年間では,約49.5%となった。その原因として,函館市とその周辺の人口減少,少子化ならびに小児齲蝕歯数の減少が示唆された。
2.来院患者の居住地では,函館市内の市街地が多かった。しかし,市街地からの来院患者には減少傾向がみられた。
3.主訴では,齲蝕予防関連を合わせたものが,全ての群で上位を占めていた。年代の経過とともに,齲蝕関連が減少し,それに伴い齲蝕予防関連の主訴が増加した。
4.診療内容では,齲蝕重症度の軽症化,一人平均治療歯数の減少,修復物の種類では乳歯用既製金属冠の減少がみられた。齲蝕重症度と治療歯数の変化は,歯科疾患実態調査報告にみられるdftの急激な減少と,2000年頃を境とした減少の緩徐化と類似した傾向がみられた。
5.齲蝕予防関連ではブラッシング指導,齲蝕予防指導が増加した。
以上のことから,当地区の少子化,齲蝕重症度の減少,齲蝕歯数の減少の3要素が,当クリニックの約40年間の小児歯科診療の変化に,大きく影響を及ぼしていたことが推察された。今後は,以上の内容がどのように変化していくかを引き続き見守りながら,診療に当たっていきたい。

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