小児歯科学雑誌
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原著
歯学生の歯科治療恐怖心に関する15年間の調査
澤瀬 萌々近藤 好夫伊藤 李香木下 莉沙子白倉 佳奈川崎 華子西俣 はるか日高 聖田上 直美
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2025 年 63 巻 1 号 p. 20-27

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抄録

歯科治療への恐怖心の原因を明らかにすることは,患児との良好な人間関係の構築や,小児歯科治療における初診時の診療のあり方を考えるうえで参考になる。本研究では,歯学部1年生に教育業務の一環として入学直後に実施したアンケート調査における15年間の結果を用いて,幼少期における歯科治療経験の実態と,現在の歯科治療への恐怖心との関係性を調査した。
収集したデータの要約統計量を算出した。次いで「現在の歯科治療に対する恐怖心の有無」について「怖い」と回答した者,「怖くない」と回答した者にグループ分けして,アンケート結果を要約した。また,アンケート項目のうち収束可能な変数は「現在の歯科治療に対する恐怖心の有無」を目的変数として単変数ロジスティック回帰分析を行い,オッズ比,95%CI値,p値を算出した。アンケート実施年度ごとに現在の歯科治療に対する恐怖心の有無の推移を算出した。
その結果,初めての歯科治療時の恐怖心の有無および初めての歯科治療時の疼痛の有無は,現在の歯科治療に対する恐怖心の有無に有意に関連していた。また,歯科治療中に不快に思う事柄では,歯科治療に対して恐怖心を抱いている集団は,恐怖心を抱いていない集団と比較し,切削音が不快であると回答する者が多かった。歯科治療に対して恐怖心を抱いている学生の割合は,有意差は認めないものの減少傾向であった。

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