小児歯科学雑誌
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症例報告
水平埋伏した上顎第二小臼歯を牽引誘導した1例
宇佐見 智里内川 喜盛上原 正美飯領田 采奈白瀬 敏臣
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2025 年 63 巻 2 号 p. 39-44

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抄録

小児歯科臨床において歯の萌出障害に遭遇する機会は多く,早期に発見し自然萌出を促すことが理想であるが,それが困難な場合も患児に負担の少ない処置で,適切な時期に歯列へ誘導することが求められる。

今回,著者らは,11歳男児の上顎第二小臼歯が水平埋伏したことで萌出困難となった1例を経験したので報告する。

患児の上顎左側第二小臼歯歯胚は,エックス線画像所見より歯冠咬合面が第一大臼歯の根尖と近接した位置に水平埋伏していた。治療方法として埋伏歯の萌出路確保を優先するため,第一大臼歯の遠心移動を行った後に,埋伏歯の開窓・牽引とセクショナルアーチを用いた捻転の改善を行った。歯科用CT画像を参考に牽引する方向を決定することで,隣在歯の歯根吸収や歯周組織への異常を起こすことなく歯列内へ誘導し良好な結果が得られた。

本症例では既往歴に上顎左側第二大臼歯部の含歯性囊胞摘出経験があり,前医からの資料より,上顎左側第二小臼歯は囊胞の拡大による影響と考えられる著しい歯軸の遠心傾斜を認め,その後の治癒に伴い萌出方向がさらに遠心に向かい,水平に埋伏したと推察した。小児歯科臨床においては,定期的な口腔内診察やエックス線検査を行うことで口腔の正常な発育を障害する因子の早期発見に努め,適切な時期に侵襲の少ない治療を行うことが重要である。

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