2025 年 63 巻 2 号 p. 45-51
小児歯科臨床において,歯根形成途中の歯が歯髄壊死を起こす症例に遭遇することは少なくなく,その場合,骨様硬組織による根尖孔の閉鎖を目的としてアぺキシフィケーションが選択される。アぺキシフィケーションによる根尖の治癒形態はさまざまであるが,象牙質による歯根長伸長や添加による根管壁の厚みの増加など生理的な成長は望めず,治癒後の根尖も複雑な形態を有すると報告されている。したがって,通法のガッターパーチャポイント(GP)を用いた側方加圧根管充塡では緊密に根管充塡を行うことは困難であることが多い。そのため,アペキシフィケーションを施した歯のGPによる根管充塡を行う際には,根尖の形態および閉鎖状況の精査が必要である。近年,歯科用コーンビームCT(CBCT)の普及により,頭蓋顔面領域の解剖学的構造を三次元的に評価することが可能になった。また,バイオガラス系シーラー(BGシーラー)は,優れた生体親和性を有し,象牙細管内における結晶の形成,高い封鎖性,耐酸性と物理的強度の獲得に繋がるといわれており,アペキシフィケーション後の根管充塡に有効であると考えられる。
今回われわれは,外傷による歯髄壊死した歯に対しアペキシフィケーションを実施した後,CBCTによる根管閉鎖状況と根管形態の診査を行った結果,被蓋硬組織の形成および根管全体が複雑な構造をとっていることが判明し,BGシーラーを用いたGP根管充塡を行い良好な結果が得られた症例を経験したので報告する。