小児歯科学雑誌
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地方都市の一個人歯科開業医における障害者の実情について
郷家 智道渡辺 孝夫菅田 幸子渡辺 悦子
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1984 年 22 巻 4 号 p. 898-905

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抄録
第2郷家歯科医院は仙台市のほぼ中心に位置し,歯科一般を対象とする通常の歯科医院である.昭和54年6月より昭和58年5月までの4年間に来院した心身障害者は,この時期の全患者数の7.2%にあたる491人であった.本院の心身障害患者の実情について調査した.
障害の種類は,精薄,肢体不自由,視覚障害,聴覚障害からなっていたが,精薄が全体の約64%を占めていた.男女比は60%が男性で,年齢構成は19歳以下(358人,72.9%)の若年者が多かった.通院回数は,1人平均6.1回で,大半は5回以内に治療が終了していた.通院期間は1人平均1.7カ月で,大半(234人,47.7%)は1カ月以内に治療が終了していた.施設からの患者は全体の19%をしめた.患者の居住地は,本院より直線距離で1~2Kmの者が59人で最も多いものの,ついで市内5Km以上,市外とつづき比較的遠方より来院する患者の多い事を示した.齲蝕処置歯数は1人平均4.0歯で,その内容は即日充填処置が2.2歯で最も多く,ついで,抜歯,抜髄処置(0.8歯),根管治療処置(0.2歯)とつづいた.
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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