抄録
本研究では,市販されている9種類のコンポジットレジンの引張強さ,曲げ強さ,ブリネル硬さを比較検討した。37℃人工唾液に浸漬した場合と, 20℃実験室中に保存した場合とに分け,試料作製後1日後,7日後および30日後にそれぞれ試験した。また,試料を37℃人工唾液に浸漬した場合の重量変化についても調べ, 以下の結論が得られた。
1.超微粒子配合型コンポジットレジンは,引張強さ,曲げ強さ,ブリネル硬さのいずれについても従来型および臼歯部用コンポジットレジンに比較すると,有意に劣った(p<0.01)。
2.従来型コンポジットレジンと臼歯部用コンポジットレジンの間には引張強さ,曲げ強さ,ブリネル硬さについて,有意差が認められなかった(p>0.05)。
3.人工唾液に浸漬した場合の重量変化については,Microrest APの増加量が著しいこと,および,P-10とClearfil Posteriorでにおいて7日目に減少することが特徴的であった。