小児歯科学雑誌
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新潟大学歯学部小児歯科外来におけるリコールの実態調査
石井 史郎小岩井 均田口 洋野田 忠
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1987 年 25 巻 1 号 p. 62-71

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抄録
小児歯科医療におけるリコールシステムを円滑に運んでいくために,新潟大学歯学部小児歯科外来の来院患者のリコールの実態について調査を行った。
対象は,昭和54年9月から昭和59年2月までの4年6カ月間に来院し,リコールシステムにのった患児3559人(男児1907人,女児1652人)である。
最初に,小児歯科診療録を用いて調査を行った。
1)初回リコール来院率は82%であった。
2)治療回数が増えるに従い,リコールに応じる患児の割合が増加していた。
3)治療への適応状態が良好な患児は,リコールに応じない割合が高かった。
4)リコール方法の消極法では,積極法に比べ約3倍リコールに応じなかった患児の割合が多かった。
5)新潟県内では,リコール来院率は通院距離にかかわらず,ほぼ同じ傾向を示した。
6)保隙装置を装着した患児はリコール来院率が高かった。
7)全身疾患を有する患児はリコール来院率が低かった。さらに,リコールに来院していない患児1221人を対象としてアンケート調査を行った。
1)大学病院に行く必要がなくなったという回答が75%以上あり,むし歯の治療が終わり,新しいむし歯がないからというものが最も多かった。
2)6歳未満の群では,6歳以上の群に比べ,他の歯科医院を受診した患児の割合が高かった。
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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