小児歯科学雑誌
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細胞培養によるアマルガムの毒性評価
加我 正行青森 継充及川 清
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1988 年 26 巻 4 号 p. 727-731

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抄録
市販の歯科用アマルガムの細胞毒性について細胞培養にて実験した.アマルガムの組成と練和後の経過時間が細胞毒性に与える影響について,市販のアマルガム,Dispersalloy,Lumi Alloy,Hi-Atomic M,Spherical Dとヒト歯肉由来の線維芽細胞を用いて,ADAとFDIが推奨する寒天法を改良した方法にて評価,検討した.
その結果,Dispersalloy(亜鉛入り高銅型)が最も強い細胞毒性を示し,1%以下しか添加されていない亜鉛がアマルガムの細胞毒性に最も大きな役割を果していた.Lumi Alloy(高銅型)とHi-Atomic M(低銅型)の間には細胞毒性の有意な差はみられず,銅の含有量の多少はアマルガムの細胞毒性に影響しなかった.アマルガムの細胞毒性は,アマルガムの硬化反応の進行と共に経時的に減少した.硬化反応が速いと思われるSpherical D(高銅型)が最も小さい細胞毒性を示した.
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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