抄録
長崎大学歯学部病院小児歯科診療室に来院した患者について,葉書により定期診査受診の通知を行った昭和62年度の定期診査受診状況について調査し,葉書による定期診査の通知を行っていなかった昭和60年度の結果と比較し,下記の結論を得た。
1)葉書により定期診査の通知を行う事により,定期診査受診率は増加した。
2)62年度の治療終了者に対する初回定期診査受診率は,69.9%であった。
3)初診時年齢別定期診査受診率は,低年齢児ほど高く,就学前の者の方が就学後の者より高かった。
4)交通の便が悪い地区と遠方で小児歯科標傍医がいる地区より来院した患者の定期診査受診率が低かった。
5 ) 治療終了者に対する主訴別定期診査受診率は, 齲蝕予防( 86. 2 % ) と齲蝕治療( 71. 3% ) が高く, 抜歯( 50 % ) , 歯牙形態異常( 50 % ) , 疼痛( 50. 5 % ) が低かった。
6)定期診査受診群と受診しなかった群間の初診時齲歯数に有意差はなかった。
7)62年度の咬合誘導装置装着患者の定期診査受診率は,60年度より低下していた。
8)全身疾患の有無別には,定期診査受診率に差がなかった。