小児歯科学雑誌
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Idiopathic hyperglobulinemic renaltubnlar acidosisの歯科的所見
宮沢 裕夫岩崎 浩大西 敏雄今西 孝博
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1992 年 30 巻 5 号 p. 1064-1073

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抄録

Idiopathic hyperglobulinemic renal tubular acidosisは腎尿細管における重炭酸イオンの再呼吸障害に起因する代謝性アシドーシスを呈する疾患群である。症例は,初診時12歳4ヵ月の女児であった。全身所見は,身長93cm(-7.3SD.),体重12kg(-3.5SD.)と著しい発育の遅れが認められ人形様顔貌,鳩胸,クル病性念珠を呈していた。下肢はX脚で外反膝,および膝関節の屈曲拘縮,さらに内反足が認められた。また,手格骨エックス線より骨年齢は約8歳であった。口腔内所見としては,BDEに晩期残存がみられ,6|6は修復処置が施されていた。また,上下顎前歯部を中心に歯頸部付近の軽度な歯根の露出と歯牙の動揺が認められた。特に上顎中切歯では,歯肉の炎症,歯牙の動揺が著しく挺出も認められた。頭部エックス線規格写真より上下顎骨の前後的劣成長が認められ,特に上顎骨にその傾向が著明であった。

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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