1996 年 34 巻 5 号 p. 1204-1208
人体に対する侵襲を最小限に留め,患児の不安を助長することのないハブラシによるDNA抽出法を考案し,以下の結論を得た。
1.被験者全てからゲノムDNAを抽出することができた。
2.被検部位については,歯肉,頬粘膜に比較し,舌からのDNA回収量が有意に高かった。
3.すべての被検部位において,1ストロークより10ストロークの方が,回収量が多い傾向を示した。
4.ヒトDNAに特異的に反応するプライマーによりDNAを増幅できたことから,今回抽出されたDNAは,分子遺伝学的研究に用いることが可能なヒト高分子DNAであることが示唆された。