小児歯科学雑誌
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小児の咀嚼機能に関する総合的研究
食生活,食べ方,生活環境等について
日本小児歯科学会
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1998 年 36 巻 1 号 p. 1-21

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抄録
現代小児の食に関する実態を明らかにする目的で,平成8年6,7月の2か月間に全国29大学附属病院小児歯科を訪れた3~15歳の小児4,212人を対象に調査分析を行った。
その結果,日本人小児の食生活,生活環境の平均像は次のとおりであった。
12歳まではほとんどの小児は毎日朝食を食べるが,13~15歳ではほぼ15%のものが欠食をすることがある。30~50%の小児はテレビを見ながら朝食をとり,朝食にかける時間は,3~5歳でも70~80%,13~15歳になると90%以上が20分以内である。こども達はスポーツクラブや習い事に忙しく,夕食は3~5歳でほぼ40%のものは5~6時頃に,ほぼ60%のものは7~8時頃にとるが,増齢とともに遅い時間になり,13~15歳では3%のものは9時以降に夕食をとり,12%のものは夕食時間が決まっていない。12歳まではほとんどのこども達は家族とともに夕食をとるが,13~15歳ではほぼ30%のものが毎日は家族とともに食べない。夕食を家族とおしゃべりしながら食べるものは3~5歳ではほぼ55%であるが,増齢とともに減少し,それにかわってテレビを見ながら夕食をとるものが増える。夕食にかける時間は12歳まではほぼ45%のものが30~40分,30~35%のものが20~30分であるが増齢とともに短くなり,13~15歳では35%のものが30~40分,37%のものが20~30分である。母親は夕食に8割以上は材料から手作りした料理を出している。
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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