抄録
幼若永久歯の修復処置における歯髄への外来刺激を遮断する目的で象牙質にレーザーを照射し,細管閉塞が可能な条件を満たすものは著者らの研究では,炭酸ガスレーザーが有効であった。そこで得られた照射条件をもとに炭酸ガスレーザーを臨床応用するための基礎的研究として,象牙質の厚さの違いによる歯髄への熱影響を歯髄側象牙質の温度変化より検討を行った結果,以下の結論を得た。
1.Normalpulse照射,Superpulse照射ともに照射時間が長くなり,平均出力が大きくなるに従い,また,試料の厚径が薄くなると上昇温度値は高くなる傾向を示した。
2.Superpulse照射はNormalpulse照射に比べ照射開始から照射終了までの上昇温度値は低いものであった。
3.照射時間が同じであっても1秒間のパルス数が多い場合は,上昇温度値は高くなる傾向を示した。