小児歯科学雑誌
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小児の齲蝕予防,齲蝕進行抑制に関する総合的研究-保護者教育,口腔保健指導について-
日本小児歯科学会
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1999 年 37 巻 5 号 p. 893-914

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抄録
現在各大学において小児に対する齲蝕予防,齲蝕進行抑制に対する取り組みが基本的にどのように行われているかを明らかにするため,平成10年12月に全国29の歯科大学,大学歯学部の小児歯科の小児歯科学講座に対しアンケート形式による調査を行い,集計・分析を行った。
1.保護者教育では集団指導に比べ個人指導に重点がおかれ,その指導内容も間食指導,口腔清掃指導を中心とした指導が行われていた。
2.各大学においてフッ化物の応用は積極的に行われており,またフッ化ジアンミン銀溶液は3歳未満の患児への齲蝕進行抑制剤として使用されていた。小窩裂溝填塞にはフッ化物添加の填塞材を応用している大学が多かった。
3.定期健診ではほとんどの大学において間食指導,ブラッシング指導,フロッシング指導,フッ化物や小窩裂溝填塞材の応用が行われていた。また,咬翼法エックス線写真撮影,プラークスコア算出,齲蝕活動性試験もほぼ半数の大学において行われていることがわかった。
4.非協力児への対応は,各大学とも定期健診の間隔を短くするなどし,口腔清掃指導は保護者も含めて予防に重点をおいた対応をとっていることがわかった。また,各大学ともPMTC(Professional mechanical teethcleaning)は有効であると考えており,大半の大学では実際に行われていた。しかしコンピュータによる齲蝕抑制の管理やレーザーの使用などは機器が高価なことからあまり利用されていなかった。
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