小児歯科学雑誌
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DIAGNOdentTMの齲蝕診断に関する研究-カリエスメーター値との比較による齲蝕分類の試み-
飯田 翠鍵下 麻記二木 昌人中田 稔
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2004 年 42 巻 1 号 p. 45-51

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抄録

九州大学病院小児歯科外来を受診した患者の処置歴のない臼歯57歯の小窩裂溝部を対象に,DIAGNOdentTM(KaVo社製)を用いた計測を行った。そして視診,触診,齲蝕検知液による罹患歯質の有無,カリエスメーター(小貫社製)測定値から総合的齲蝕診断と治療選択を行った。これらよりDIAGNOdentによる測定値(以下,DIAGNOdent値)の特徴を明らかにすると同時に,カリエスメーターによる電気抵抗値(以下カリエスメーター値)との比較によるCO,C1,C2との関連付けを試み,臨床的有用性を検討した。
その結果,カリエスメーター,DIAGNOdentTMとも計測者間の計測値に有意差は認められなかった。また,カリエスメーター,DIAGNOdentTMとも同一計測者が2回ずつ計測したが,計測器,計測者の違いにかかわらず,変動率はいずれも10%-16%の問であった。DIAGNOdent値とカリエスメーター値の間には,対数近似曲線にてR=-0.68の高い負の相関がみられた。カリエスメーター値が600kΩ 以上は健全,250kΩ-599kΩ がC1,249kΩ 以下がC2とされていることより,近似曲線からDLAGNOdent値15付近が齲蝕の有無の境界,27付近がC1とC2の境界と考えられた。総合的齲蝕診断による健全,CO,C1,C2に対するDIAGNOdent値を比較したところ,健全とCO,COとC1の間に有意差が認められなかった。このことよりDIAGNOdentTMではCOの範囲を特定するのは困難であった。

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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