小児歯科学雑誌
Online ISSN : 2186-5078
Print ISSN : 0583-1199
ISSN-L : 0583-1199
歯顎顔面用コーンビームエックス線CTを用いた摂食・嚥下器官の3次元的評価
喉頭蓋の形態とその成長変化
曽根 由美子弘中 祥司嘉ノ海 龍三向井 美恵
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 45 巻 3 号 p. 377-383

詳細
抄録

摂食・嚥下機能に関して重要な役割を果たす喉頭蓋について,歯顎顔面用コーンビームエックス線CTを用いて喉頭蓋の3次元的な断面形状を観察することにより顎・口腔領域の成長期にあたる混合歯列期から永久歯列完成期における喉頭蓋の形態的特徴および成長変化について検討を行った.
HellmannのDental Age IIC~IVA期に相当する100名を対象とし,安静時の喉頭蓋が咽頭壁に接することなく喉頭蓋谷の入り口の開いているものに限定した.喉頭蓋の水平断面において,幅径,深さ,厚み,矢状断面において,長径の4項目を計測した.
結果,幅径,長径は歯の交換期から永久歯列完成期にかけての時期に有意に増加がみられた.深さは有意な変化はみられず,厚みはIIC期とIVA期の間に有意差がみられた.つまり小児期の喉頭蓋は,幅径と長径は歯牙年齢の発達にともない有意に増大し,深さには変化が見られず,厚みはIIC期とIVA期の間で増大していることが明らかになった.以上より安全装置としての喉頭蓋は深さの増大は今回の対象より低年齢のうちに起こることが推測される.つまり,幅径,長径より早期に増大していると推測された.

著者関連情報
© 一般社団法人 日本小児歯科学会
次の記事
feedback
Top