2007 年 45 巻 5 号 p. 611-616
中国吉林省長春市にある小学校にて口腔保健調査を,2001年および2005年に実施し,2回にわたる調査結果を比較することによつて中国地方都市部における歯科疾患状況にどのような変化が現れているかについて検討を行った。
対象は小学校に在籍する6歳から12歳の小児である。2001年は194名(男児97名,女児97名),2005年は214名(男児101名,女児113名)の延べ408名を対象とした。
齲蝕罹患者率,一人平均齲蝕経験歯数,一人平均齲蝕経験歯率の割合はいずれも2005年の方が大きい数値を示した。重症齲蝕の割合は齲蝕全体の52.3%であり,修復歯の68.9%が二次齲蝕に罹患していた。調査結果から中国長春市の齲蝕は増加傾向にあることが判明した。