主催: 一般社団法人 日本体育学会
会議名: 日本体育学会第67回大会
開催地: 大阪体育大学
開催日: 2016/08/24 - 2016/08/26
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中等教育における体育の学習場面では、教員から与えられた課題を遂行し、上達する生徒がいる一方で、同様の練習を行っても技能の向上がみられない生徒が見受けられる。本校ではその対策として、協同学習やICT機器を利用した動作分析などの手法を用い、効率的に運動技能の向上を図る授業を展開している。しかしながら、この過程においてもなかなか動きの改善につながらず、運動技能を高めることができない運動不振生徒が存在する。この状況は、出力系である“運動の結果”を付加的なフィードバックによって改善するだけではなく、認知系の要素にも着目して指導していくことの必要性を示している。そこで本研究では、高校2年生(175名)を対象に、ボタン押し課題と全身反応課題の2種の課題を用いて、①刺激が1種類である場合、②刺激が複数になった場合、③要求される課題が複雑になった場合の反応時間から、中枢神経系の情報処理能力と運動技能との関連について検討した。今回、“刺激を認知するまでの時間”と“刺激の認知から運動の発現までの時間”および“運動遂行時間”に着目し、運動不振生徒とそうでない生徒を比較した結果について報告する。