日本体育学会大会予稿集
Online ISSN : 2424-1946
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第67回(2016)
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一般研究発表(03) 体育心理学
03心−24−ポ−75 海外派遣サッカー指導におけるコーチング環境の実態調査
FIFAランキングによる比較から
*松山 博明須田 芳正土屋 裕睦
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p. 142_2

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抄録

 公益財団法人日本サッカー協会(JFA)アジア貢献事業は、アジアでの人材の活発な交流を行い、共存共栄を目指している。しかし、コーチング環境には予想を上回る様々な問題・課題が存在していると言われている。そこで本研究は、海外派遣サッカー指導者24名を対象として、質問紙調査を実施した。その結果、日本と比較して、コーチングスタッフ数は、代表および育成年代ともに、日本よりはるかに人数が少ないことが明らかになった。また、グラウンド保有国は17ヶ国、ピッチの天然芝使用国は11ヶ国、使用グラウンドの広さは2.5面以上が4ヶ国、使用ゴール数は2組以上が7ヶ国、グラウンドの観客数は300名以上が5ヶ国、照明設置国は12ヶ国、クラブハウス所有国は13ヶ国に留まっていた。次に、同じ年代の日本代表チームの能力を100%とした場合、赴任した指導者による選手の競技力の評価は、FIFAランキング上位群において技術56.3%・戦術49.4%、中位群では技術51.3%・戦術30.0%、下位群では技術33.8%・戦術31.3%であった。このことから、特に中位・下位群の選手の戦術面は、日本と大きく異なることが明らかになった。

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