主催: 一般社団法人 日本体育学会
会議名: 日本体育学会第67回大会
開催地: 大阪体育大学
開催日: 2016/08/24 - 2016/08/26
p. 159_3
片側性の随意的筋収縮中において、反対側同名筋に不随意的に発生する筋活動の特性について、随意的筋収縮課題の難易度、収縮強度、年齢の要因から統合的に明らかにする。右利きの健常な若齢者12名および高齢者12名を対象に、非利き手(左手)の等尺性示指外転動作による力調節課題を行った。力調節課題の目標強度は、最大随意収縮力の20、40、60、80%とした。対象者は、表示された目標値の許容範囲を目視しながら発揮する力を許容範囲内に合わせるよう努力した。課題難易度は、許容範囲を各目標強度の±2%を難課題、±7%を易課題と設定した。不随意的筋活動は、右手の第一背側骨間筋より導出した筋電図のRMS値(aEMG)によって評価した。aEMGは、全ての要因間(課題難易度、目標強度、年齢)において交互作用は認められなかったが(P>0.05)、各要因に主効果が認められ(P<0.05)、特に難課題は易課題よりもaEMGが1.45倍大きかった。以上より、反対側同名筋の不随意的筋活動は、片側性の随意的筋収縮の強度や加齢の要因に加え、随意的な力調節課題の難度が高い方が増加することが明らかとなった。