主催: 一般社団法人 日本体育学会
会議名: 日本体育学会第67回大会
開催地: 大阪体育大学
開催日: 2016/08/24 - 2016/08/26
p. 162_2
本研究は低酸素環境下でのレジスタンス運動とスプリント運動を融合した複合トレーニングが筋力・筋パワーに及ぼす影響について検討することを目的とした。健康な成人男性8名(33 ± 2歳)が、低酸素(FiO2=12.7% : H群)および常酸素(FiO2=20.9% : N群)環境において、それぞれスクワットでのレジスタンス運動(10RMを3セット)と自転車エルゴメータでのスプリント運動(6秒の全力運動を24秒の休息を挟んで5回、2セット)を週3回の頻度で8週間実施した。トレーニング前後に大腿部の筋断面積、最大無酸素性パワーおよび等尺性股関節屈曲伸展トルクを測定した。トレーニング後、筋断面積、最大無酸素性パワーはH群・N群ともにトレーニング前に比べて有意な増大が認められた(P<0.01)。また、股関節屈曲トルクは両群ともに有意に増大した(P<0.05)が、伸展トルクはH群のみトレーニング後に有意な増大が認められた(P<0.01)。しかし、すべての項目は環境間に有意な差異がみられなかった。以上、複合トレーニングは筋肥大とともに自転車でのパワー発揮、股関節の最大筋力の増大に有益であるが、低酸素・常酸素環境によるトレーニング効果は類似していることが示唆された。