主催: 一般社団法人 日本体育学会
会議名: 日本体育学会第67回大会
開催地: 大阪体育大学
開催日: 2016/08/24 - 2016/08/26
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歩行時や走行時の支持期における後足部の過度の外反動作は、下肢の慢性障害の要因であると考えられてきている。そのため、後足部の外反動作を生み出す力学的要因である後足部外反モーメントの発生機序を明らかとすることは、下肢慢性障害の予防を考える上で重要である。本研究の目的は、歩行時と走行時の後足部外反モーメントの発生機序を明らかにすることである。歩行時、走行時ともに後足部接地パターンを示した健常な成人男性14名が、中央部に床反力計を埋設した約30mの走路上で歩行と走行の両方の試技を行った。光学式モーションキャプチャー装置から得られた足部の3次元動作データと床反力計から得られた地面反力より、後足部外反モーメントを算出した。接地直後の局面では、歩行・走行ともに、床反力の側方成分の大きさが後足部外反モーメントの大きさに寄与していることが明らかとなり、さらに走行時に限り、この床反力側方成分の大きさが接地直前の足部側方速度の大きさに依存することが示された。その後の局面では、歩行・走行ともに、足関節中心に対するCOPの側方変位の大きさが後足部外反モーメントの大きさに寄与していることが明らかとなった。